一瞬でロイヤルカスタマーを失った理由【美容室経営相談室】

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キッズカットを導入するリスク

お気に入りの美容師が独立したから、それについていくことにしたYちゃん。
もう何年もの付き合いだし、いつも行っていた美容室からちょっと遠いけどそちらに通い始めたそう。
メニューの値段も、お気に入りの美容師が大手の美容室にいた頃の値段のままだったらしい。
毎回Yちゃんはカットとカラーとトリートメントで毎月¥12000〜¥18000は使う位の常連だった。

新しいお店は座席3席の、シャンプー台2台で木の温もりがあるような落ち着いた店内。
いつも行くと、自分ともう1人いるくらい、普通に繁盛してるなぁという印象。
たまたま平日に会社の休みをとってお昼頃に予約をして行った日に、悲劇は起きた。

「静かにしなさい」の声が響く店内

のんびり紅茶を飲みながら雑誌を読みながら、髪の毛に色が浸透するのを待っていた。
すると、子どもを2人連れたママが入ってきて「今日はこの子のカットを願いします〜」と言いながら、
ママと2人の子どもがYちゃんの横の席に座った。Yちゃんも最初は、かわいいなぁだなんて見てたらしい。

しかし、今日はお姉ちゃんが主役のうえに、見たいDVDが見れない弟くんがぐずり出した。
遂にお姉ちゃんと喧嘩をはじめた。もはやママの「静かにしなさい!」の声の方が大きくなってきた。
Yちゃんも反対側にいる女性もチラチラ見てしまうほど。落ち着いていた店内が騒がしくなってしまった。

 

私のカットをしてるんじゃないの?

Yちゃんは、落ち着かなかったものの「子どもだから仕方がないか」と半ばあきらめ、
お気に入りの美容師に最後の仕上げのカットをしてもらっていた。Yちゃん的には、
ここで仕事の愚痴を聞いてもらったり、恋愛相談をするのが通う1つの楽しみだったらしい。
スマホでラインをチェックをして、美容師に目線を戻すと、
何とカットをしながら子どもの方を見ていたのだとか。
Yちゃんが再び話しはじめると、あわてて視線を戻す始末。

 

¥15000の中に子どもの騒ぐ声も含まれるか

お客様は基本的に「特別扱いしてもらいたい」ものです。
Yちゃんはその後、何だか寂しくなって通うことを辞めたそうです。
自分はある程度の常連で大切にしてもらえるものだと思っていたけど、
私が行かなくても、お店はやっていけるんだろうし。だなんて、いじけていた。

別に子どもが嫌いな訳でもないし、忙しい美容師の気持ちも分からなくもない。
でも、その時支払ったのは¥15000という安くはないお金を払っているのだから、
落ち着いた店内で、のんびりしたかった、美容師とゆっくり話がしたかったそうです。
別に夜に予約すればいいじゃんという友人のアドバイス虚しく、すっかり美容師から
気持ちの離れてしまったYちゃんは次の美容室を探している真っ最中。

 

一瞬でロイヤルカスタマーを失った理由

キッズカットを導入している店舗は、客席間を近づけすぎない、
ある程度の店の広さや個室が必要になってきます。
もしくは、子どもが遊んで待っていられるスペースや、子どもの面倒が見れる人員が必要です。
今回の店舗では、広さも人員も足りていなかったようです。
また客単価が¥10000超えるような店舗ではお客様は技術以外にも、
おもてなしやハード面を求めるようになってきます。
芸能人がより高いお金を払って、人の目が気にならない静かな個室に入りたがるような部分ですね。
今回のような店舗で平日の空いた時間を活用したいのであれば、
その時間帯は逆にキッズカット限定にするのも手だったかもしれません。
独立直後はメニューやコンセプトの試行錯誤が必要ですが、常連を大切にする心も忘れてはいけませんね。

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