遠くの恋人より近くの友人【美容室経営相談室】

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友人の上司まりかさん(仮)の話。
彼氏が栄転で海外に転勤することになった。まりかさんが転勤直前に彼氏に言われたのが、
「戻ってくるまで待ってて欲しい」だった。連れて行くでも別れるでもなく。
まりかさんはてっきり、3年も付き合ってたからプロポーズでもされるのかと思っていたらしい。
まりかさんは「うん、分かった」と待つことに。あ〜あ、女の鮮度は短いのに。

それで、その結末は彼氏が現地妻でも作るかと思ったら、まりかさんが2ランクくらい下の男と早々にゴールイン。
まりかさんを大学時代から追いかけ、まりかさんの彼氏と遠距離になってからもまりかさんの愚痴を聞いたり、
酔い潰れたまりかさんを迎えに行ったり、献身的に支え続けた男だったらしい。

まりかさんは、遠くの大事にしてくれない年収1000万越えの外資系金融に勤める彼氏より、
近くの大切にしてくれる年収600万位のメーカーに勤めるこの男といた方が幸せだと判断した。
たいして連絡もよこさない彼氏に、結婚式の招待状を送りつけて、まりかさん自ら終止符を打った。

店舗からの距離という壁

とにかく恋愛でも、店舗ビジネスでも「距離」は心理的コストが高くなってしまいます。移動にお金もかかるし、遠出することになると肉体的にも疲労が発生してしまう。「心理的コスト」とは、休みの日にわざわざ遠いところに行くのが面倒だなぁとか、子どもができて遠い美容室にはもう行けないなぁなどの、心にかかる負担の要因となることを指します。距離が遠いというだけで、時間もお金も身体も使うことが、物理的というよりも「心理的負担」となってしまうのです。物理的負担より心理的負担がかかる方が人は動かなくなってしまうのです。

あんなに、何回も何年も来てくれていた常連が来なくなってしまった、来店回数が徐々に減りながら終いには来なくなってしまったという経験はりませんか?何年も常連だった方が、知らぬ間に失客していくのは、やはり距離の問題であることが最も多いです。「引っ越すからごめんね」とお客様から言ってくれればこちらもあきらめがつきますが、わざわざ言う必要もないかとフェードアウトしていくお客様も実は多いのです。

1-1.車社会なら関係ない?

店舗ビジネスでは、3回通えば常連だと言われています。お客様の心理としては、常連になれば多少は特別扱いしてもらえるし、全く知らない美容室に行く障壁の方が高すぎるから、引っ越して多少距離が遠くても、そのまま通っていたいという場合が多いです。通えば通うほど、あなたの美容室とお客様の絆は深まっていくのです。ですので、常連はあなたの美容室に通い続けます。特に車社会で育った人にとって車で20〜30分くらい大したことではありません。しかし、いつも買い物にいくスーパーとあなたの美容室が逆方向だった場合、回数を重ねるごとに段々と通うのが面倒になってきます。何で私こんなに頑張っているのだろう…と。
『私たち、離れても大丈夫だと最初は思っていたのに…。』

1-2.山手線内に潜むライバル達

都内の最も便利な路線が山手線。都内を円を描くように1周1時間くらいかけて回る線路。入社当時は池袋付近に住んでいて、月に1回池袋の美容室に通っていた人がいる。池袋まで電車で4駅だから、割と頑張って通っていた方だろう。しかし、転職を機に大崎へ越した。山手線にして半周の距離だ。電車で30分位だから、越した後も頑張って通っていたのだけど、その途中に学生時代に通っていた美容室が恵比寿や渋谷にあった。呆気なくその恵比寿の美容室に通うようになってしまう。
『私たち、4年も愛し合った仲だったのに…。』

1-3.遠くてもポリシーを貫く女性達

高校からの親友が嫁いで名古屋で暮らしている。4ヶ月に1回は実家に戻ってきてそのついでに美容室に寄るらしい。高校と大学の近くにある実家から電車で40分の美容室に10年以上通っている。彼女はお目めパッチリでショートカットがトレードマークなのだけど、4ヶ月もあればセミぐらい伸びる。「ばっさりショートは初めての美容室に任せるのは怖い」と、遠かろうが何だろうが、とにかくもう他の美容室には行きたくないらしい。それから、嫁いで神奈川の高級住宅地で暮らしている人がいる。その方は、1時間半かけて表参道の美容室に通っている。「ご近所のママ友との話のネタになるもの」だそうだ。
『私たち、これからも変わらず愛し合って生きていくのね…。』

強いのはマメな人

ただ、その高校からの親友は、名古屋の家から実家からと2つの壁を乗り越えてくるのには他にも理由があった。それはオーナーからのグリーティングカードだった。海外旅行が好きなオーナーは、3ヶ月に1回くらいのペースで欧州に旅行に行くらしい。そして現地で買ったかわいいカードで、現地からグリーティングカードを送ってくるらしい。海外ならではのオモチャみたいなポストカードにメッセージが書いてあるそうな。きっと、それはもらったら嬉しいだろうし、そんな粋なことをするオーナーの元へ通うだろう。

距離が離れても、上手くやっている恋人同士はいるものです。連絡をマメに取り合ったり、会った時には特別なデートをするなど。だから、あなたの美容室と常連との距離が離れても諦めないで下さい。遠くから来てる常連には特別なメニューを用意してあげたり、それからまめにDMを出すことを忘れないようにして下さいね。

 

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