20年以上続く美容室は0.3%【美容室経営相談室】

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あなたは、サロン生存率という言葉をご存知ですか?具体的な数値をあげると、1年以内に閉店するサロンが60%、3年以内に閉店するサロンが90%、10年以内に閉店するサロンは95%と言われています。そして、20年以上続くサロンは0.3%、30年以上続くサロンはなんと、0.02%と言われています。また企業の生存率は、設立5年で約85%の企業が廃業・倒産し、設立10年以上存続出来る企業は6.3%と言われています。それと比べるとサロン生存率はかなり厳しい数値ですよね。なぜ、サロンと企業で数値が変わってくるかというと、企業を始める人より比較的、サロンを始める人の方が多く、必然的にライバルが多くなるからなのです。今や、コンビニより多いと言われる美容室。厳しい時代に突入しましたね。

0.02%の努力と奇跡

20年以上続く美容室が0.3%しかないということは、同じ時期に美容室を始めたライバルはほぼ死滅しています。それでも、その戦いをくぐりぬけて美容室を経営し続けている方々がいらっしゃいます。一体どんな秘訣があるのでしょうか。

創業30年以上のMINXさん

業界で知らない方はいないと言っても過言ではない、有名人気美容室ですね。人気モデルや女優のブログにもよく登場する美容室です。代表の高橋マサトモさんは、業界で引っ張りだこです。公演、セミナー、業界紙、インターネット上で見ない日はない程。「日本のアバンギャルドの先駆者」とも言われ、常に第一線でご活躍されています。1985年に創業されて以来、常に新しいスタイルを生み出しています。そして、MINXとしてのブランディングを意識した戦略をとっています。

あるインタビューの中で、高橋さんは、”僕の過去30年の経営のテーマは「破壊と構築」なんです。”と回答されています。
また、”100人になったときは、自分自身の役割を変えていかないとサロンを維持できないと感じました。そこで、ハサミをマイクに持ち替えて、経営の話をするようになったのです。”とご自身の変革もお話されています。そして、”僕たちは、ひとつの例になれればいいんです。それは、成功例じゃなくて、失敗例でもいい。子どもたちのためにできるところまで動けば、子はその後、自分たちの足で歩いていくんです。”と後継を育てることにも余念がありません。

最近では、トータルビューティーとして、ネイルサロンやまつげエクステサロンも始められるそうです。”将来は女性スタッフのためにも、お客様のためにも、「髪・目・爪」と一体化したサロンの展開を、女性スタッフだけで構成するかたちで、視野に入れ、考えているところです。”と女性を総括して大事にされる高い視点をお持ちです。

常に経営者自身が変革し続けることや、お客様のみならず業界のトップであり続けるために何をすべきかを常に考えているのが、生き残っている秘訣なのかもしれません。実は、著者が10年以上も前、高校生だった頃にMINXさんに行ったことがありました。当時はなけなしのバイト代を握りしめて原宿の美容室に通うのが楽しみでした。どちらかと言えば、ダサい高校生が来ると邪気にするサロンが多いなか、MINXさんは普通に接客をし、素敵な施術をして下さったことで、高校生ながらに「ここは普通に扱ってくれた」などと生意気にも思った記憶があります。ぜひまたお伺いして、トップランナーの空気を感じたいです。

引用:『リクルート ビューティー総研 ヘアサロン領域 インタビュー』
   『IZANAGI 7月号』第4回MINXがこの10年で取り組んできた成果

その道65年の94歳現役美容師

先日9月18日に取り上げられたニュースで、高知県で美容室を営む「スミレ美容室」の小川栄さんが紹介されていました。”当時、土佐清水市内には美容院が5軒しかなく「パーマがすごくはやっていて、市内一円からお客さんが押し寄せてね。5人を雇って早朝から(午前1時に閉まる)銭湯に間に合う深夜12時までずっと仕事。10年間は昼食を食べたことがなかった」と活況ぶりを懐かしむ。”と想像を絶する忙しさを語りながらも、そこで流行って終わらないのが、”小川さんは現在も美容や化粧に関する業界誌を購読するなど最新の流行や技術に関心を持ち、幡多地域で開かれる高知県美容生活衛生同業組合の講習会にも足を運ぶ。”といくつになっても努力を続けることや流行を掴み続けることも忘れていません。私はこれで大丈夫という驕り高ぶることがない姿勢は、ぜひ見習いたいところです。その道65年の小川さんは”お客さんが入店するその時に、身長やバランスを見て合う髪形をさっと考える。「その人の好みもありますから、気に入ってもらえるのが一番です。表情で分かりますから」。50年以上通ってくれる常連客も少なくない。”というプロ中のプロを見せつけています。

最近では、パーマは減りカラーがメインだそうですが、まだまだ現役続行の意思を示しているそうです。最高齢の現役美容師で有名なのは、98歳まで現役美容師を続けされた「吉行あぐり」さん。小川さんはあと4年で追いつきます。心から応援しております。

引用:『女性の美を追い65年 高知県土佐清水市に94歳現役美容師』

生き残ることがお客様のためになる

どの美容室も「お客様のため」を思っていることには変わりがありません。また、お客様がいなくなるということは「廃業」を意味するのです。そして何より、お客様は美容室に通うことをいつも楽しみにしているのです。美容師はお客様をキレイにするのが仕事ですが、美容室を経営するオーナーは、美容室を存続させることも仕事のうちです。いつもあなたの美容室に通ってくれるお客様の笑顔を守るためにも、あなたの美容室を守り続けるにはどうすれば良いかを考えなくてはいけませんね。