近くの美容室が面貸しを始めて出る影響【美容室経営相談室】

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繁盛しているように見えた美容室

美容室は、その地域によって営業時間や定休日が少し異なることにお気づきですか?もちろん、あなたの美容室ではお客様の動向によって、営業時間を決めていると思います。夜遅くに来店するお客様が多いのであれば、少し遅めの時間にオープンして、夜遅くまで営業する。逆に夕方以降に来店が減る場合は、朝早くから営業して早めの時間に閉店するということになりますよね。

都市部や栄えている地域では、遅め開店の遅め閉店、地方の落ち着いた美容室では、早め開店の早め閉店の傾向があります。ですので、あえて地域住民とは異なる時間に来店するニッチなお客様を狙う美容室以外は、その地域で営業時間が似たり寄ったりになる場合が多いのです。
しかし、先日ある町で、地域性とは異なる雰囲気の美容室を発見しました。その地域では、お昼頃、夕方〜夜にかけて忙しくなるケースが多いようだったのですが、その美容室は朝から満席だったのです。たまたまかと思いきや、通るたびに朝早い時間から盛況でした。

ところで、あなたは「面貸し」を知っていますか?別名、ミラーレンタルとも言います。著者は職業柄、繁盛している美容室はとても気になるので、その朝から盛況な美容室が、どんな美容室なのか調べてみました。すると、「面貸し専用サロン」だったのです。要は、美容師免許を持たず、髪の毛とは無縁の、空間だけを提供して家賃が入ればOKなオーナーがいて、その箱の中で働いているのは全てフリーの美容師という実態でした。

面貸しサロンで働きたい美容師の増加

面貸し自体は、もう10年以上も前から行われていますが、近年よくその手法を聞くようになりました。なぜなら、お茶をひいてしまい席が空く美容室と、フリーで働きたい美容師をマッチングさせて手数料を取る業者が近年増えてきたからです。そして、美味しいところを強調して両者に話を持ちかけ、どちらかと言えば席が空いてる危機感を持つオーナーより、このまま長時間の少ない給料で働き続ける危機感を感じている美容師が、その話に乗ってフリーになりたがるのです。

繁盛が繁盛を呼ぶ理由

面貸しサロンは増加傾向にあります。その朝から盛況の面貸しサロンは、関東全域にありました。またマッチングさせて手数料を取る側は、美容室に空きがないか聞いて回るのです。当然、常に満席状態の美容室は数少ないですから、すかさず面貸しをしないか話をもちかけます。空いている席からお金が発生するなら良いかと了承する美容室オーナーもいるのです。また、フリーの美容師は、独立傾向が強く何かにつけてのスキルも並より上の場合が多いのです。ましてや、フリーになる時にお客様を連れてくる場合が多いので、必然的に席を貸した美容室は席が埋まり始めます。日本人は特に行列に並び流行に乗るのが好きな傾向があり、心理的に入りやすいので、お客様でいっぱいの美容室に行きたがるのです。

あなたの美容室に出る影響

浮気者のお客様は世の中にたくさんいます。たまたま通りかかった家の近くの美容室が繁盛していれば、何かの拍子で「1度行ってみたい」という浮気心が生まれます。あなたの美容室の近くで、面貸し専用サロンや面貸しをしている「繁盛しているように見える」美容室にあなたのお客様は取られてしまう場合があるのです。浮気をしたお客様が実際に行ってみると、並より上のセンスも良くて対人スキルが高い美容師に出会って気に入ってしまえば、もうそのお客様は取られたも同然です。

警告!だからと言って面貸しを始めてはいけません

それなら、うちも面貸ししよう!だなんて思いませんでしたか?それはおすすめしません。なぜなら、空いた席でわずかな収入を得る代わりに、あなたの大切な美容室を荒らされることにもなりかねないからです。マッチングする側は、「美容師同士が良い刺激になります」という文句で売り出していますが、刺激が強すぎて既存の美容師と、フリーの美容師の間でトラブルが発生しないとは言い切れません。そして、貸す側にあなたの美容室の社風までは強要できないので、あなたの美容室の雰囲気を壊してしまう場合もあるのです。また結局、新規のお客様の集客をしなくてはいけないことにはかわりはありません。だいたいの場合が、フリーの美容師個人でも、集客していいことになっています。最悪あなたの美容室では、集客ができていないのに、フリーの美容師だけが集客ができている状況になるかもしれません。そんな状況になれば、あなたの美容室で働く美容師のやる気を奪ってしまいますね。それにつられて「私もフリーになるので辞めます」だなんて言われたら元も子もありません。

空いている時間があり、焦る気持ちや何か儲かる方法がないかと探す気持ちはよくわかります。しかし、あなたが大切にすべきなのはお客様と従業員なのです。空き時間はサンキューレターを書くなど、何を守るべきか、何を優先すべきかを忘れないようにして下さいね。

 

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