お客様にはわからない美容室事情【美容室経営相談室】

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美容師とお客様の間にあるギャップ

あなたの美容室では、こんな質問をされたことはありませんか?「何で最初から最後まで同じ美容師さんじゃないの?」「◯◯のシャンプーが欲しいのだけど、取り扱ってる?」などと聞かれたことはないでしょうか。なかには、美容室側からすれば、当然◯◯だからに、決まってるじゃん!そんなこと聞かないで!と思うような質問もされているかもしれません。果たして、お客様から見て疑問に思うことや、理解できないことを3つご紹介します。

何で担当が変わるの?

もちろん、最初から最後まで担当者がかわらない美容室もなかにはあると思います。しかし、基本的にはアシスタントがシャンプーや塗布やブローを行うと思います。指名された美容師は、カットだけを担当したり、指示だけアシスタントにして施術の前後にチェックするだけの場合もあるでしょう。そのように、担当意外の美容師が取っ替え引っ換え交代するのは、業界の人の常識として、

?アシスタントとしての仕事を覚えさせるため、一人前の美容師になるための必要なステップだから

?オーナーやディレクターが最初から最後までやってしまうと、本人の単価が下がる、多くの指名を裁けない

からだという理由が多いと思います。しかし、お客様からすると何で交代するのかが理解できていない方が多いのです。「せっかく指名料払って指名したのに、どういうこと?」や、「そんなに交代したら、最初のカウンセリング通りやってもらえるか不安」と言った声が上がっています。
先日の発言小町(読売新聞のネット上でお悩み相談ができるサイト)では、5年通ったけどその交代制が嫌で通うのをやめようかという声が上がっています。※当初は、最初から最後まで同じ美容師が施術していたようです。

発言小町URL:トピックス『美容室でのこと お店かえようかな』

せっかく、5年もの常連をそんなことで失ってしまうのはもったいないことですね。新規顧客や、体制が変わった時はカウンセリングの際に、「カットとカラーは私が担当します、シャンプーはアシスタントが行う場合がございます」と予め伝えておくか、「最初から最後まで、シャンプーなども私が担当させていただきます」などと一声あると、お客様は安心して任せられるでしょう。もしくは、単価が上げられるチャンスなので「最初から最後まで美容師が変わりません」というのを、特別高級メニューとして用意しても良いかもしれません。

何でそのシャンプー扱えないの?

友人のMちゃんから聞いた話ですが、美意識の高い友人Sさんのヘアスタイルが気に入って紹介してもらった美容室での出来事。その美容室では、使用しているシャンプーやアウトバスのトリートメントなどが、Mちゃんが愛用しているジョンマスターではなかったそう。完成してみて、スタイルは気に入ったものの、香りや手触りや仕上がりの具合がいつもと違うことに少しがっかり。そして、スタイルは気に入ったから今後通うためにこう聞いてみたそうです。「ジョンマスターを取り扱ってもらうことはできますか?」と勇気を出して美容師に相談しました。すると、「ごめんなさい、うちでは扱えないんです」と言われたそうです。Mちゃんはがっかり。結局その後もいつもの美容室に通うことにしたそう。私も、美容室だからと言って、どのサロン品でも簡単に仕入れられないことに驚きました。

某ヘアケアメーカーに勤める友人に聞いてみたところ、美容室によって扱える商材に制限があるそうで、一定のしかも1店舗では使い切れない個数を仕入れないといけなかったり、認定が必要だったり。古くからの付き合いで変えたくても変えられなかったり、店販率の良いものと悪いものもあるなどなど、様々な事情があることにこれまた驚きました。こればかりはお客様に事情をお話しする訳にいかないので、原稿の商品の良いところを改めてお伝えするか、もし可能であれば、お客様の声を取り入れて、希望の商品を仕入れてあげると喜ばれるでしょう。そんなVIP待遇はなかなか難しいとは思いますが…。

何でアシスタントに厳しいの?

「私のそばで、アシスタントをしかり出して不快だった。裏でやって欲しい。」なんて言う声や文章をちらほらと見聞きすることがあります。美容師は師弟関係があり、上下関係が厳しい職人気質の職業だということは、実は世間に浸透していません。どちらかと言えばサービス業だと思っている方が多いので、師匠が弟子にその場で技術を厳格に伝えているだけなのですが、そうは見えません。それで不快に感じてしまう方が多いのです。例えば、和食の板前さんは師弟関係がはっきりしていて、下積み時代が何年かあり、何年か経ってから包丁を持てるようになるという流れを知っている方は世間では多いようです。割と中流の小料理屋さんや、お寿司屋さんでは師匠が弟子をしかっているシーンを何度か見かけたことがあります。あまり良い気分ではありませんが「まぁ、そいう世界だから」と許せてしまうものです。ちなみに、名の通った高級店ではそのようなシーンを見かけたことがないので、いくら職人気質の職業でもお客様がいる前ではしからないというのが「最低限のマナー」なのかもしれません。

業界の事情はお客様には通用しない

やはり、業界の中で当然のことでも、お客様は全く知らない場合が多いです。「私達には常識でも、お客様は知らない」という事実を知るだけでも、サービスの質が変わってくるでしょう。昔からのしきたりや、付き合いを大切にする業界には良いところも、悪いところも存在します。技術を極めようと努めることは、プロの美容師として素晴らしいことです。そのプロの意識の中に「お客様の目線に合わせる」という項目をぜひ加えてみてください。