美容室の数が年々増え続ける一方で、理容室の数は年々減ってきています。それに伴い理容師になりたい学生も減っています。しかし、今だに理容室には根強い男性ファンがいることから全くなくなることはないと言われています。
今年7月に、昭和53年の厚生省通達が廃止され、次第に理容室と美容室の垣根が低くなってきていると言われています。密かに巻き返しを図る理容室とは…
1、阿部首相がことの発端
美容室でカットの施述を受けた阿部首相は通達違法ではないか…と報道されたのが今年の3月のことでした。昭和53年の厚生省通達を簡単に説明すると「美容室は美しくなるための存在」「男性がカットだけでは行ってはいけない」のような事が書かれていました。
参考URL:『安倍首相の「美容室でカット」は違法?「男の散髪」をめぐる奇妙なルール』
1−1 話題を知らない美容師
「阿部首相が通達違反をしたのではないか」、「今年の7月17日に厚生省通達が廃止された」のニュースを全く知らない美容師が数多くいたようです。そのニュースのことを尋ねても「え?うちの男性のお客様、普通にカットだけして帰りますけど?」とあっけらかんと答えたそうです。そもそもそのような通達の存在を知る美容師も少なかったのです。
1−2 なぜその通達があったのか
一言で言えば、「縄張り争い」をしていたからです。いろいろな説がありますが、当時の美容業界と理容業界のライバル心や仲の悪さが原因のようです。通達とは違反をしても罰せられることは特になく、裁判所でも否定されることがある程、拘束力がありません。
1−3 廃止するとどうなるのか
通達が廃止されてから、理容室が元気になり始めました。この話題でどちらかと言えば、理容室が脚光を浴びることになりました。女性向けのサービスを積極的に取り入れたり、おしゃれ理容室がオープンしたり、活気を取り戻しつつあります。メディアも積極的に理容室の話題をあげています。
参考URL:『席数1席の理容室、シェービングメニューの客足好調』
理容室TRAD MARKさん:『TRAD MARK BARBER』
【まとめ】密かなライバル
今後正々堂々と営業をする理容室は、密かに美容室のライバルになりつつあります。理容室での女性用シェービングは、昨年から人気が出始め、現在ではわざわざ雑誌やネット上で特集が組まれるようになりました。
「脱毛サロンより安くて正確」「旦那が行く時に私も行ってシェービングをしてもらう」「顔剃り専門店より近所の理容室のおじさんの方が上手だった」などの口コミも多く見られます。
社会人や、子育てをしている主婦や、大人の女性は時間が減るばかりです。一方で忙しくても美しくありたい気持ちは変わりません。そんな女性が、美容室ではシェービングできないけど、理容室でカットもカラーもシェービングができるなら、そっちに通った方が一石二鳥だわ!と理容室に通う機会が増えるかもしれません。
美容室でもシェービングの資格を取る許可が降りるようになりました。シェービングは熟練の技ですが、理容室に女性のお客様を取られないような努力が必要かもしれません。