差別化やコンセプトを作ると言われても、なかなかピンとこないオーナー様も多いのではないでしょうか。「20代〜50代の女性をターゲット」など幅広すぎたり、「愛されヘアーが得意」など抽象的すぎたり、個性を出すのが苦手な美容室が多いようです。一方で、強烈な個性を出すことで集客が成功している美容室もあります。
1、ブラックスタイルを貫くJamboさん
引用URL:『Black Hair and Nail Jambo』
東京の荒川区にある「Black Hair and Nail Jambo」さんは、日本人に合ったブラックスタイルを得意としています。いわゆるアメリカの黒人発祥のブラックミュージックから影響を受けたヘアーで、コーンロウ、エクステンション、ドレッドがメインです。そのヘアーと合わせたネイルも一緒に提供しています。オーナーに負けないくらいスタッフも個性豊かなのが特徴です。
1−1 ブラックヘアー好きのオーナー
オーナーは、中学生の頃にブラックヘアーに興味を持ち、ニューヨークへ渡りました。その後も、ブラックヘアーを極めるために、独学や通信教育で美容師免許を取得します。ブラックビューティーの祭典では優勝経験があり、日本人向けのブラックヘアーの提案を得意としています。
ご自身も、常に新しいコーンロウ、エクステンション、ドレッドに挑戦しています。店内では、日本で入手しにくいブラックミュージックの音楽を流すなど、流行やセンスを磨くことに余念がありません。
1−2 専門性と知識で高単価へ
いわゆる髪を編む「ブレイダー」と呼ばれる編むスタイリストは日本にほとんどいません。またオーナーの砂岡さんが学生の頃には、ブレイダーが活躍するアメリカと違い、日本にはブレイダー用の学校がありませんでした。海外で学んだ知識や、技術のこだわりは群を抜きます。そして、この高い技術を売りにすることで料金設定を他より高めにしました。
料金表を拝見する限り、恐らく客単価は3〜4万円前後でしょう。「値段が高くても、技術や持ちが良ければお客様にご満足いただけるはず」と、オーナーの砂岡さんはおっしゃっています。
1−3 口コミと固定客で成り立つ
このブラックヘアーというのは、芸能人やラスタ系のアパレル人、アクセサリーショップの店員などの一般の職業の人はなかなか挑戦できる髪型ではありません。ブラックヘアーを施術するお客様の母数が圧倒的に少ないのです。それでも、高い技術とセンスの良さで口コミが絶えず、現在は固定客が売上をほとんどを占めているといいます。
【まとめ】いつも新鮮で個性的
オーナーの砂岡さんのフェイスブックがHP上にあったので、拝見しましたがヘアメイクのこだわりや、常にブラックヘアーの最先端を行く姿勢が伺えます。これだけ専門性と技術センス共に高い美容室は、ブラックヘアーを愛するお客様にとって最高の美容室に違いありません。オーナーのこだわりとお客様の需要がマッチするのは素晴らしいことですね。
さまざまな顧客から受け入れられるコンセプトを考えることも需要ですが、あなたの髪へのこだわりやどんなお客様と関わりたいかを、もう一度考えてみると良いかもしれません。
参考文献:「はじめてのヘアサロンオープンブック」技術評論社 P26〜31